おいてきた言葉

気づけば、最後に記録を書いてからずいぶん時間が経った

書きたいことがなかったわけじゃないけど、ただ、何をどう言葉にしていいのか、わからなくなってしまった。


その理由の大きなものに、姉の死は確実に関係していると思う。


ある日突然脳出血を発症し、それから1日と経たず、ほんのわずかな時間のうちにいなくなってしまった。

あまりに急で、あまりにあっけなくて。


この経験は私の中に、たくさんの「言葉」を留まらせた気がする。


誰かに聞いてほしいこと、伝えたいこと、吐き出したいことは身体中にあふれていたから

残しておきたいと思ったし、書きたい、と思った。

でもいざ書こうとすると、言葉というものが急に薄っぺらく見えてしまって

どんな文字を並べても本当じゃない気がして、なかなか書くことができなかった。


でも、書けなかった間にも、心の中に、たくさんの感情や、得体のしれない何かが動いていたのは確かで

悲しみ、怒り、諦め、微かな希望・・・やっぱり言葉にするには難しいのだけれど、

複雑に絡み合ったいろんな想いが私のなかをぐるぐる巡って、そのどれもが、確かに私をつくっている。


今日までに経験した1日1日はわたしの中にいろんな形で残っていて

あの日から見えるようになった景色は増えてきている。とも思う。


話を聞いてくれた人がいたおかげで、

書けない代わりに、話をすることで整理してきたこともたくさんある。


姉ちゃんがいなくなるなんて想像してなくて、あまりにも突然で悲しかったし辛かったけど、

いろんな人に、姉ちゃんの話をしたかった。

どんな人だったか、どんな最期だったか、たくさん話したかった。

そして今わたし自身がどんな状態でいるのか、日々どんな変化を感じているのか…そういう色々なことを、たくさん話したい気持ちだった。

こんなこと話されても困るかな…と思って話せずにいる時も、

芝居仲間や仕事の同期や、周りの人が、話させてくれて聞いてくれた。

そのおかげで、私の中にたくさん言葉が「残って」いると思う。

これは本当にとてもありがたい。


だから——なのかもしれないけれど

また、書いてみたいと思った。

自分の中にある色々なものを、もう一度、書きたいと思った。

書けなくなってから今日までのことも、全然関係ないことも。


あの時間のこと、昔のこと、今のこと、なんでもない日常のこと。感じたこと、考えてきたこと、変化したこと、そしてこれから感じることを、

なんでもかんでも。



suzuki mika

創る、彩る、写す、唄う

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