手紙

先日、ある演技のワークショップで
強い思い入れのある人への手紙を書くという課題があった。
それを、当日その本人が目の前にいると信じて読む…というものだったのだが、
対象の人が亡くなった姉しか思いつかなかった。
でもその時、涙でぼろぼろになりながらも最後まで読み終えた自分の中に
何かけじめのような想いが湧き起こったのがとても印象的で…

ここに、その手紙を書き残しておきたいと思った。

これで少しだけ、悲しみに区切りができたのかもしれない。

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お姉ちゃん、聞いていますか?

お姉ちゃん、わたし言ったよね
「お姉ちゃんなんか生まれてこなければよかったんだ、お産の事故の時そのまま死んじゃえばよかったんだ!!!!」って。
小さい頃わたしは、障害者の姉なんていなきゃよかったのに、とずっと思っていました。

でもあの時、わたしの残酷な言葉に傷つき
細っっい身体の底から力の限り地鳴りみたいな声で泣き喚くあなたを見て、
なぜかわたしも深く傷ついていました。

そんなわたしのことを知ってか知らずか、
それからもわたしがどんなに酷い態度をとっても、
あなたは変わらぬ笑顔で姉としてそこに居続けてくれましたね。
あなたは最期まで姉として、わたしや家族を心配し、応援し、笑顔でただそこに居続けてくれましたね。
そのおかげで、あなたが自分のこと以上に
周りを想い、気遣い、生きる力と幸せを与えてくれたように、
いつの頃からかわたしも人のためにありたい、と思うようになりました。
あの頃のわたしのように、あの頃のあなたのように、
どこかで傷つき、人知れず苦しみ哀しみ怒りを抱えている人の
小さくても優しく確かな光になりたい。

そんなふうに思わせてくれたあなたのことを、あなたの生き方を、私は心から尊敬し誇りに思っています。

あなたとの日々があってよかった。
あなたの家族になれて、わたしは本当に幸運でした。

お姉ちゃん、聞いていますか?
生まれてきてくれて、わたしのお姉ちゃんになってくれて、本当にありがとう。
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suzuki mika

創る、彩る、写す、唄う

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